製薬企業との共同研究契約を締結

がんメタボローム研究推進支援事業

2019年3月28日
国立研究開発法人国立がん研究センター
公益財団法人庄内地域産業振興センター

異常ながん遺伝子発現を制御する抗がん剤の実用化を目指した応用研究を開始
国立がん研究センター・庄内地域産業振興センターが製薬企業との共同研究契約を締結


国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都中央区築地五丁目1番1号、理事長 中釜 斉、以下「国立がん研究センター」)と公益財団法人庄内地域産業振興センター(所在地:鶴岡市末広町3番1号、理事長 小林 貢、以下「庄内地域産業振興センター」)は、がんメタボローム研究推進支援事業において、下記のとおり大日本住友製薬株式会社と共同研究契約を締結し、がん本態を特徴付ける、異常な遺伝子発現を制御する抗がん剤の実用化を目指した応用研究に取り組むことになりましたので、お知らせいたします。

 

 

1.研究目的および内容:

がんの発症メカニズムの一つとして、がん細胞は細胞分裂をくり返しても細胞死に至らない無限増殖能の獲得が知られています。特に白血病では、MYC(ミック)遺伝子が過剰発現することにより無秩序に細胞増殖したがん細胞が生み出され、正常な造血システムを破綻させることに繋がります。そこで、これらの遺伝子の発現をコントロールしているたんぱく質の機能を妨ぎ、がん細胞を無害な増殖しない細胞に変化させる薬剤の開発は、白血病を含むさまざまながんを対象とした新しい治療法に繋がると期待されます。

国立がん研究センターと庄内地域産業振興センターは、大日本住友製薬株式会社と協力し、異常な遺伝子発現を制御する薬剤ついて、その実用化を目指して以下の研究を実施します。

国立がん研究センターと庄内地域産業振興センターが設立した国立がん研究センター・鶴岡連携拠点・がんメタボロミクス研究室では、当該薬剤の作用と、様々ながんの遺伝子発現異常との関連性を解析し、有効性が期待できる疾患機序を明らかにすることを目指します。また、様々ながん発症モデルを使用し、当該化合物が抗腫瘍活性を示す新たな腫瘍性疾患の探索を行います。

 

2.研究実施予定期間:2019年3月1日 から 2020年2月29日 まで